2025年1月1日よりNYで産前休暇がスタート

2025年1月1日から、ニューヨーク州ではすべての雇用主が従業員に対して年間20時間の有給産前個人休暇 (Paid Prenatal Personal Leave) を提供することが義務付けられます。この新たな法律は、妊娠中の従業員が必要な医療サービスを受けやすくすることを目的としています。


有給産前個人休暇とは?

有給産前個人休暇とは、妊娠中の従業員が受ける医療サービスのための休暇 であり、以下のようなケアが対象となります。

  • 健康診断や定期検診
  • 医療処置や治療
  • 妊娠に関するモニタリングおよび検査
  • 医療提供者との相談

この休暇は1時間単位で取得可能 であり、従業員は通常の賃金または法定最低賃金 (高い方の金額)で補償されます。


雇用主と従業員にとっての影響

雇用主への影響

  • すべての雇用主は、従業員に年間20時間の有給産前個人休暇を提供する必要があります。
  • 休暇は時間単位で提供され、適用期間は52週間の暦期間です。
  • 未使用の有給産前個人休暇に対する退職時の支払い義務はありません。

従業員への影響

  • 妊娠中の従業員は、必要な医療を受けるための時間を確保しやすくなります。
  • 休暇を1時間単位で取得できるため、スケジュール調整が柔軟になります。
  • 休暇取得時の賃金は、通常の賃金または法定最低賃金の高い方が適用されます。

今後の対応策

既に法律が施行されているため、万が一、社内ポリシー等の改定や制度設計等がまだの企業は早急に対応をする必要があります。

雇用主

  • 新たな休暇制度のポリシーを社内に明示し、従業員が理解できるようにする。
  • 有給産前個人休暇の取得プロセスを明確にし、管理体制を整える。
  • 従業員が適切に休暇を取得できるよう、フレキシブルな勤務制度を検討する。

従業員

  • 妊娠が判明したら、雇用主に有給産前個人休暇の取得について相談する。
  • 休暇のスケジュールを事前に調整し、仕事への影響を最小限にする。
  • 必要な健康診断や検査を計画的に受ける。

まとめ

日本では産前産後休暇が当然のように整備され、多くの方が取得されますが、アメリカでは日本と比べると法整備が充実していないものも少なくありません。
ニューヨーク州の新しい有給産前個人休暇制度は、妊娠中の従業員が適切な医療を受けられるようにするための重要な一歩です。雇用主と従業員の双方が制度を理解し、適切に活用することで、より健康的で働きやすい環境を築いていきましょう。


参考文献

  • 有給産前個人休暇 (Paid Prenatal Personal Leave): Consolidated Laws of New York, Chapter 31 Labor, Article 6 Payment of Wages, Section 196-B (NYS Open Legislation | NYSenate.gov)

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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、可能な限り正確な情報を提供するよう努めていますが、法律に関する記載については最新の情報を確認し、実際に制度設計や適用を行う際には、人事領域に詳しい専門の弁護士にも併せてご相談ください。

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